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ついに発売です。
もちろんとてもうれしいことなのですが、
しばらく書店には近づけそうにありません(汗)。
入口に立ったら本気で動悸がすると思います……。
買ってくださった方、
そして読んでくださった方、
本当にありがとうございます<(_ _)>
こんな夏の真っ直中に、
舞台は夏の終わりから冬にかけてと、
随分と時期はずれなお話ですが、
楽しんでいただければうれしいです。
私も実物をいただきました。
10ページも描いていただいた本文イラストもとてもすてきで、
文章は読み返せないままですが、
イラストだけはくりかえし観賞してしまっています。
そして、
神官の出番をもっと増やせばよかったと、
人物紹介を見ながらしみじみ後悔しました(笑)。
今回いろいろ感じたことを活かしてつないで、
またこんなすばらしい機会をいただけるよう、
がんばります。
もちろんとてもうれしいことなのですが、
しばらく書店には近づけそうにありません(汗)。
入口に立ったら本気で動悸がすると思います……。
買ってくださった方、
そして読んでくださった方、
本当にありがとうございます<(_ _)>
こんな夏の真っ直中に、
舞台は夏の終わりから冬にかけてと、
随分と時期はずれなお話ですが、
楽しんでいただければうれしいです。
私も実物をいただきました。
10ページも描いていただいた本文イラストもとてもすてきで、
文章は読み返せないままですが、
イラストだけはくりかえし観賞してしまっています。
そして、
神官の出番をもっと増やせばよかったと、
人物紹介を見ながらしみじみ後悔しました(笑)。
今回いろいろ感じたことを活かしてつないで、
またこんなすばらしい機会をいただけるよう、
がんばります。
『恋愛相続人 ~花嫁は二度恋をする~』
今回は、無事にタイトルをつけられました!(笑)
……が、完全に自力だったというわけではありません。
『恋愛相続人』だけでは硬すぎる、ということで、
私が出した他のタイトル案のひとつを少し変えて、
担当様が副題としてくれたのです。
そのおかげで、
執筆中の仮タイトルだった『恋愛相続人』が
無事に正タイトルとして採用となりました。
なお、イメージの大元になった言葉というのも、
実は『海賊商人と真珠の婚約』のタイトル案でした。
担当様が考えてくれた
『姫と海賊の華麗なる商談』
というタイトルに合った話を考えてみよう、と思ったのが、
この話のそもそもの始まりだったのです。
とはいえ、それなりに姫であるものの、
海賊でもなく、華麗でもなく(「家令」とはなりましたが!)
商談でもない、というところに着地したのは、
まあいつものことです……。
とにかくプロットに時間を取られた話でした。
メモの日付を見ると、
プロット提出→最終プロット提出の時間と、
執筆開始→最終稿提出までの時間が、ほぼ同じです(汗)。
が、そこまで手間をかけても、
プロット段階ではイメージすらしていなかった
描写や行動や展開が出てきますし、
またそうでないと書いていて楽しくありません(笑)。
そうしたものの始まりは、
なんということもないささいな一文だったりするのですが、
それがあると、
その後どんどん物語を導いてくれます。
幸いなことに、
この話にもそういうことが起きてくれました。
エストリッドはヒロインだけあって、
さっそく第一章冒頭から、
婚礼衣装の袖を気にしはじめてくれました。
フェレルは第一章終わり、
オルドリクへむかう船の中でよろけてしまって
至近距離のエストリッドに本心をもらしたシーンからです。
当初は、もっとクールな忠告をイメージしていたのですが、
ああいう形になりました。
自ら動きはじめたエストリッドは結構行動派で、
慰問に行くと言い出すのはもちろん、
まして馬から飛び降りるシーンは
プロット時にはまるで頭にありませんでした。
慰問のシーンを書くとき、
なんとなく通常の鞍ではなくサイドサドルにしたのですが、
ドレス姿での騎乗にしたことで、
結果的にそのあとのシーンも生まれました。
またフェレルはかなり口の回るキャラで、
表立っての発言も、
エストリッドが回想する手紙での言葉も、
ほとんど自動記述みたいなものだったりします。
直接口では言えなくても文字だと書けてしまう、
ということは多々あると思いますが、
彼が手紙で自分の気持ちをぼかしたのは、
クラオスが肖像画等を送ることを承知せず、
仕方なく「送れない」という返事を
書いたときだけだと思います(笑)。
そしてキャスですが、
当初のプロットで彼の立ち位置にいたのは、
姐御肌の女船長で、
クラオスの恋人未満の存在だったのです。
担当様のご意見で、性別変更となりました。
が、そのわりには、
彼もぽんぽん勝手な台詞を言い出すキャラでした。
特に第三章でエストリッドへの、
商売相手を選ぶ決め手はなんだと思うかという問いかけと、
うまい食事といい女云々の答えは、
こいつはなにを言い出すんだ、と書きながら思ったくらい、
自然に出てきた台詞です。
一方で、イメージはありながらも消えた設定もあります。
あとがきに書いたとおり、
オルドリクという土地のイメージは、
大昔に雑誌コバルトに載せていただいた
短編『フィアナの魔法』が元になっています。
フェレルはそこに出てきた「羊の民」の王の一族の末裔で、
七葉模様の刺青があります。
短編に出てきた三葉模様でも四葉模様でもなく七葉模様で、
刺青の場所も左の腕ではないのは、
短編と今作のあいだにあった歴史ゆえです。
ですが、歴史がらみのストーリーがボツになったため、
「服に隠れていたフェレルの刺青をエストリッドが見る」
というシーンごと、
そっくり裏設定となりました。
ラストでも女領主と家令のままで、
問題なく結ばれるというわけにはいかない二人ですが、
パトリナも予言していますし、
このあと幸せになることでしょう。
今回の話の中心となるのは、
エストリッドとフェレルとクラオスの関係で、
しかもページ数には限りがある……ということで、
結果、またしても脇キャラが割を食いました(泣)。
第一章のみの出番となったノウル王レナルトと、
結局名前しか出せなかったウェル王アルグレンです。
二人の王の因縁は、
実は冒頭の王子と姫の結婚式から始まっていた、
という、これまた裏設定があります。
レナルトの非婚主義の極めて私的な理由や、
これまた私的なアルグレンの動機、
そして彼らをふりまわす(?)パトリナの奮闘など、
かなりはっきりイメージしていました。
いつかどこかで、
彼らの話も書いてみたいものです。
おつきあいいただいて、
どうもありがとうございました。
今回は、無事にタイトルをつけられました!(笑)
……が、完全に自力だったというわけではありません。
『恋愛相続人』だけでは硬すぎる、ということで、
私が出した他のタイトル案のひとつを少し変えて、
担当様が副題としてくれたのです。
そのおかげで、
執筆中の仮タイトルだった『恋愛相続人』が
無事に正タイトルとして採用となりました。
なお、イメージの大元になった言葉というのも、
実は『海賊商人と真珠の婚約』のタイトル案でした。
担当様が考えてくれた
『姫と海賊の華麗なる商談』
というタイトルに合った話を考えてみよう、と思ったのが、
この話のそもそもの始まりだったのです。
とはいえ、それなりに姫であるものの、
海賊でもなく、華麗でもなく(「家令」とはなりましたが!)
商談でもない、というところに着地したのは、
まあいつものことです……。
とにかくプロットに時間を取られた話でした。
メモの日付を見ると、
プロット提出→最終プロット提出の時間と、
執筆開始→最終稿提出までの時間が、ほぼ同じです(汗)。
が、そこまで手間をかけても、
プロット段階ではイメージすらしていなかった
描写や行動や展開が出てきますし、
またそうでないと書いていて楽しくありません(笑)。
そうしたものの始まりは、
なんということもないささいな一文だったりするのですが、
それがあると、
その後どんどん物語を導いてくれます。
幸いなことに、
この話にもそういうことが起きてくれました。
エストリッドはヒロインだけあって、
さっそく第一章冒頭から、
婚礼衣装の袖を気にしはじめてくれました。
フェレルは第一章終わり、
オルドリクへむかう船の中でよろけてしまって
至近距離のエストリッドに本心をもらしたシーンからです。
当初は、もっとクールな忠告をイメージしていたのですが、
ああいう形になりました。
自ら動きはじめたエストリッドは結構行動派で、
慰問に行くと言い出すのはもちろん、
まして馬から飛び降りるシーンは
プロット時にはまるで頭にありませんでした。
慰問のシーンを書くとき、
なんとなく通常の鞍ではなくサイドサドルにしたのですが、
ドレス姿での騎乗にしたことで、
結果的にそのあとのシーンも生まれました。
またフェレルはかなり口の回るキャラで、
表立っての発言も、
エストリッドが回想する手紙での言葉も、
ほとんど自動記述みたいなものだったりします。
直接口では言えなくても文字だと書けてしまう、
ということは多々あると思いますが、
彼が手紙で自分の気持ちをぼかしたのは、
クラオスが肖像画等を送ることを承知せず、
仕方なく「送れない」という返事を
書いたときだけだと思います(笑)。
そしてキャスですが、
当初のプロットで彼の立ち位置にいたのは、
姐御肌の女船長で、
クラオスの恋人未満の存在だったのです。
担当様のご意見で、性別変更となりました。
が、そのわりには、
彼もぽんぽん勝手な台詞を言い出すキャラでした。
特に第三章でエストリッドへの、
商売相手を選ぶ決め手はなんだと思うかという問いかけと、
うまい食事といい女云々の答えは、
こいつはなにを言い出すんだ、と書きながら思ったくらい、
自然に出てきた台詞です。
一方で、イメージはありながらも消えた設定もあります。
あとがきに書いたとおり、
オルドリクという土地のイメージは、
大昔に雑誌コバルトに載せていただいた
短編『フィアナの魔法』が元になっています。
フェレルはそこに出てきた「羊の民」の王の一族の末裔で、
七葉模様の刺青があります。
短編に出てきた三葉模様でも四葉模様でもなく七葉模様で、
刺青の場所も左の腕ではないのは、
短編と今作のあいだにあった歴史ゆえです。
ですが、歴史がらみのストーリーがボツになったため、
「服に隠れていたフェレルの刺青をエストリッドが見る」
というシーンごと、
そっくり裏設定となりました。
ラストでも女領主と家令のままで、
問題なく結ばれるというわけにはいかない二人ですが、
パトリナも予言していますし、
このあと幸せになることでしょう。
今回の話の中心となるのは、
エストリッドとフェレルとクラオスの関係で、
しかもページ数には限りがある……ということで、
結果、またしても脇キャラが割を食いました(泣)。
第一章のみの出番となったノウル王レナルトと、
結局名前しか出せなかったウェル王アルグレンです。
二人の王の因縁は、
実は冒頭の王子と姫の結婚式から始まっていた、
という、これまた裏設定があります。
レナルトの非婚主義の極めて私的な理由や、
これまた私的なアルグレンの動機、
そして彼らをふりまわす(?)パトリナの奮闘など、
かなりはっきりイメージしていました。
いつかどこかで、
彼らの話も書いてみたいものです。
おつきあいいただいて、
どうもありがとうございました。
『侯王の聖占女』
担当様タイトルシリーズ第二弾です(泣)。
下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、とは言いますが、
例外はあるんです……。
いつも趣味に走りまくった話を書いてしまっていますが、
今回もまたそんな話になりました。
アラビアンといえばアラビアンですが、
所謂アラビアンナイト的雰囲気はほとんどないという、
私好みの世界観です。
同じ趣味の方がいらっしゃってくれると、
とてもうれしいです。
あとがきにも書いたとおり、
発端となったイメージは、
満天の星と北アフリカの谷でした。
人の気配の薄い雄大な景色は、
心が洗われるような気持ちになります。
そんなところで暮らしている女の子を考えているうち、
星を視るシェラナが生まれました。
イメージの元になったのが北アフリカということで、
大量の造語のルビは、
おおむねアラビア語あたりを元にしています。
「聖占女(アルナイーラ)」と
「聖星石(ナイール)」は
「輝くもの」を意味する「アル・ナイール」から。
「飾り紐(シュリータ)」は「リボン」、
「侯妃(イクリーン)」は
「冠」を意味する「イクリール」から、などです。
雰囲気を出したく、
かといって造語ばかりでも読みづらくなるということで、
どれくらい使うか悩みました。
いかがでしたでしょうか?
同様に、一部のキャラの名前も、
アラビアの名前から取りました。
「カイス」は「厳しさ」
「アスイール」は「純血」
「ハイダル」は「獅子」
「アズハル」は「輝く月」
「イフラース」は「忠実」
「ザフィル」は「勝者」
「アーシム」は「守り手」
「ヒッリザ」は「けち」
「ファルナーズ」はペルシャ語まじりの「愛しい輝き」
「ハッダード」は「鉄職人」
「ラーイ」は「保護者」です。
とはいえ私はアラビア語の素養がなく、
リスニングも大変苦手な耳を持っていますので、
正確かどうかはかなり怪しいです……。
そこは造語ということでお願いします<(_ _)>
プロット自体は割とすんなりできたのですが、
実際に書いてみると、結構それました。
シェラナは、もっと一般人寄りの活発な設定だったのです。
ですが、本文でどんどん自分の気持ちを言ってきて、
ああいうヒロインとなりました。
アズハルはまったりキャラでした。
叔父の罪のために沈黙を誓い、
ピアスもどきのクリップを口につけているという設定は、
本文を書きはじめた途端に降ってきたものです。
声を出さない割に言いたいことを言っていますが、
つきあいが長く志を同じとするカイス、
従妹かつ聖占女のシェラナ、
そして彼に恋するファルナーズ限定の能力で、
パントマイムの達人ではありません(笑)。
ファルナーズも、
プロットではシェラナとまったく対等の友人関係でした。
それが少しお姉さんっぽくなった反面、
目が悪いゆえのドジっ子設定が大きくふくらみました。
そのおかげで、
本人に意識はないながらも
アズハルにお姫さま抱っこされるシーンが追加され、
さらに担当様のご意見で
エンディングでも彼に迎えに来てもらったという、
密かな出世キャラでした。
侯妃シェラナの友人かつ恩人ですので、
薬草官としてはとても入手できなかったメガネが、
このあと贈られることでしょう。
ストーリーで一番変わったのは、
ザフィル糾弾のシーンです。
もともとのプロットでも、
ザフィルは私欲ではなく
一種の義憤が動機となっていた敵役でしたが、
皆の前で真相を暴かれたあとは、
ハイダル侯国から追放されるはずでした。
本人もそれを良しとし、
贖罪のための巡礼者となって、
正当防衛とはいえ殺してしまった
エルファズを弔う予定だったのです。
けれどもカイスにより、
宰相を続けることになりました。
一日の休暇は、
これからもときどき取ることになると思います。
創作する方は経験があると思うのですが、
キャラや世界が、
予定や作者都合にお構いなしに、
それぞれの理屈で動きはじめることがあります。
(……ありますよね?)
このカイスの裁断もそうでした。
書いてみないとわからないことが起きるから、
やっぱり創作は楽しいです。
カイスは暗君を装っているということで、
あまり目立った活躍シーンがないのですが、
実は自己主張の激しいキャラでした。
暗君の演技をしていない素顔は優等生の王子様、
という設定だったのに、
自分でも気づいているように、
案外そうでもなくなっています(笑)。
そのせいで糾弾シーン以外にも、
シェラナがらみの細かいシーンが
あちこち変更になったり、
描写が増えたりしています。
さらに担当様のご意見もあり、
改稿で出番がさらに増えました。
ナジフの国は、
領地の自治権を持つ諸侯の上に
国王がいるという制度の国です。
国王や各諸侯の政治的な思惑も当然あり、
聖占女あがりのシェラナとカイスの結婚は、
そう簡単には進みません。
が、暗君の素質を持ちつつ明君となったカイスなら、
あらゆる手を使って
どうにかすることでしょう(笑)。
おつきあいいただいて、
どうもありがとうございました。
担当様タイトルシリーズ第二弾です(泣)。
下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、とは言いますが、
例外はあるんです……。
いつも趣味に走りまくった話を書いてしまっていますが、
今回もまたそんな話になりました。
アラビアンといえばアラビアンですが、
所謂アラビアンナイト的雰囲気はほとんどないという、
私好みの世界観です。
同じ趣味の方がいらっしゃってくれると、
とてもうれしいです。
あとがきにも書いたとおり、
発端となったイメージは、
満天の星と北アフリカの谷でした。
人の気配の薄い雄大な景色は、
心が洗われるような気持ちになります。
そんなところで暮らしている女の子を考えているうち、
星を視るシェラナが生まれました。
イメージの元になったのが北アフリカということで、
大量の造語のルビは、
おおむねアラビア語あたりを元にしています。
「聖占女(アルナイーラ)」と
「聖星石(ナイール)」は
「輝くもの」を意味する「アル・ナイール」から。
「飾り紐(シュリータ)」は「リボン」、
「侯妃(イクリーン)」は
「冠」を意味する「イクリール」から、などです。
雰囲気を出したく、
かといって造語ばかりでも読みづらくなるということで、
どれくらい使うか悩みました。
いかがでしたでしょうか?
同様に、一部のキャラの名前も、
アラビアの名前から取りました。
「カイス」は「厳しさ」
「アスイール」は「純血」
「ハイダル」は「獅子」
「アズハル」は「輝く月」
「イフラース」は「忠実」
「ザフィル」は「勝者」
「アーシム」は「守り手」
「ヒッリザ」は「けち」
「ファルナーズ」はペルシャ語まじりの「愛しい輝き」
「ハッダード」は「鉄職人」
「ラーイ」は「保護者」です。
とはいえ私はアラビア語の素養がなく、
リスニングも大変苦手な耳を持っていますので、
正確かどうかはかなり怪しいです……。
そこは造語ということでお願いします<(_ _)>
プロット自体は割とすんなりできたのですが、
実際に書いてみると、結構それました。
シェラナは、もっと一般人寄りの活発な設定だったのです。
ですが、本文でどんどん自分の気持ちを言ってきて、
ああいうヒロインとなりました。
アズハルはまったりキャラでした。
叔父の罪のために沈黙を誓い、
ピアスもどきのクリップを口につけているという設定は、
本文を書きはじめた途端に降ってきたものです。
声を出さない割に言いたいことを言っていますが、
つきあいが長く志を同じとするカイス、
従妹かつ聖占女のシェラナ、
そして彼に恋するファルナーズ限定の能力で、
パントマイムの達人ではありません(笑)。
ファルナーズも、
プロットではシェラナとまったく対等の友人関係でした。
それが少しお姉さんっぽくなった反面、
目が悪いゆえのドジっ子設定が大きくふくらみました。
そのおかげで、
本人に意識はないながらも
アズハルにお姫さま抱っこされるシーンが追加され、
さらに担当様のご意見で
エンディングでも彼に迎えに来てもらったという、
密かな出世キャラでした。
侯妃シェラナの友人かつ恩人ですので、
薬草官としてはとても入手できなかったメガネが、
このあと贈られることでしょう。
ストーリーで一番変わったのは、
ザフィル糾弾のシーンです。
もともとのプロットでも、
ザフィルは私欲ではなく
一種の義憤が動機となっていた敵役でしたが、
皆の前で真相を暴かれたあとは、
ハイダル侯国から追放されるはずでした。
本人もそれを良しとし、
贖罪のための巡礼者となって、
正当防衛とはいえ殺してしまった
エルファズを弔う予定だったのです。
けれどもカイスにより、
宰相を続けることになりました。
一日の休暇は、
これからもときどき取ることになると思います。
創作する方は経験があると思うのですが、
キャラや世界が、
予定や作者都合にお構いなしに、
それぞれの理屈で動きはじめることがあります。
(……ありますよね?)
このカイスの裁断もそうでした。
書いてみないとわからないことが起きるから、
やっぱり創作は楽しいです。
カイスは暗君を装っているということで、
あまり目立った活躍シーンがないのですが、
実は自己主張の激しいキャラでした。
暗君の演技をしていない素顔は優等生の王子様、
という設定だったのに、
自分でも気づいているように、
案外そうでもなくなっています(笑)。
そのせいで糾弾シーン以外にも、
シェラナがらみの細かいシーンが
あちこち変更になったり、
描写が増えたりしています。
さらに担当様のご意見もあり、
改稿で出番がさらに増えました。
ナジフの国は、
領地の自治権を持つ諸侯の上に
国王がいるという制度の国です。
国王や各諸侯の政治的な思惑も当然あり、
聖占女あがりのシェラナとカイスの結婚は、
そう簡単には進みません。
が、暗君の素質を持ちつつ明君となったカイスなら、
あらゆる手を使って
どうにかすることでしょう(笑)。
おつきあいいただいて、
どうもありがとうございました。