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『海賊商人と真珠の婚約』
海から遠い土地で生まれ育ちました。
学生時代の伊豆旅行で、車窓に海が見えた瞬間、
「海!」
とはしゃいだのは、山梨育ちの友人と私だけでした(笑)。
千葉、神奈川、岡山育ちの友人は、
「……うん、海だよね」
と不思議そうでしたっけ。
リアルな潮風は、割と苦手だったりするのですが(汗)、
それでも海にはあこがれます。
帆船時代の英国海軍の物語である
ホーンブロワーシリーズも好きでした。
そんなあこがれを背景にしたのが、
今回の話です。
海といえば海軍!……よりもう少し少女小説向けな
交易、海賊、というあたりから、
父の投資で財産を失った没落貴族リーザと、
元海賊の商人レンのイメージが生まれました。
ちなみにレンのイメージソングは、
ポルノグラフィティの『ハネウマライダー』です。
そして、そんな彼に影響されて変わっていく、
リーザのイメージも固まりました。
今回は担当様から、
「恋愛面をしっかり書く」
より具体的には
「くっついたあとも書く!」という課題を出されていたため、
リーザとレンの関係は「婚約」からはじめることにしました。
当初の打ち合わせでは、
物語半ばで結婚して、初夜シーンも?なんて話になっていました。
が、プロットを詰めていくうち、
とても結婚式だのなんだのを書くだけのページ数が足りず、
結局「帰ったら結婚式」という
なにかのフラグのようなラストとなりました。
といっても無事にラーテンまで帰り着く予定ですし、
物語半ばで相思相愛にはなりますので、
一応課題クリア、ということにしてもらえました(汗)。
婚約段階でも甘いカップルにしようと試みたのですが、
なってくれていたでしょうか?
なにしろこれまであまり書かなかった要素ですので、
自分の中ではこれくらいで十分だろうという気持ちがあったらしく、
第1稿は、
ピエトたちが迎えに来たところで終わっています(笑)。
担当様に言われて、
二人の会話とキスシーンでのラストとなりました。
なお、ちらほらと
レンの育ちが悪くないような描写を入れてありますが、
彼はセルアスタ諸侯国の森林貴族の出身という設定です。
貴族としての教育を受けているので、
本の背に指をかけて引っ張り出して傷めることもなく、
礼儀作法も身につけており、
共通語を学んでいて、
きちんとした文章も書ければ、
マグヌのような訛りもなく話せます。
ただ性格と行動からいって、嫡男ではありません。
継承権のない末子や庶子あたりをイメージしています。
が、マグヌはレンの家臣ではなく、
たまたま一緒にエイゼルの船に助けられた同国人です。
とはいえレンの素性にはうすうす勘づいており、
それが「坊」呼びになりました。
ただ、こうした一切もページ数の関係で、
裏設定となりました(泣)。
恋愛面強化に関してはもうひとつ、
「恋敵を出す」という課題もありました。
リーザの元婚約者の貴族、レンの商売敵等々、
いろいろアイディアをいただいた結果、
当初のプロットでレンを海賊として捕らえに来た軍人が、
リーザの家の元執事ピエトにと変わりました。
ですがリーザの潔癖な性格では、
まったく恋愛対象として見ていなかった相手から
恋愛感情をむけられていたことを知ると、
喜んだり照れたりするより、
「そんな目で見られていたなんて、気持ち悪い!」
と、相手に拒否反応が出そうな気がしました。
それではあまりにかわいそうですので、
リーザは最後まで、
ピエトを「兄のような人」という存在と位置づけ、
彼の自分への感情は「忠誠心」だと思っています。
またピエトもそういうリーザを熟知しているため、
彼女の概念を壊して新しい関係を押しつけることはしません。
よく言えばリーザを大切にする、
悪く言えば現状維持に努める臆病なキャラです。
そんな彼のイメージソングは、
これまたポルノグラフィティの『アゲハ蝶』でした。
なお今回書くことができたボツプロットの設定とは、
「敵同士が理解し合い、協力する」です。
レンとピエトが互いに相手の行動を推測した結果、
示し合わせることもなく隠し島で落ち合うという展開は、
ここから生まれました。
黒幕ヘイシングとその妻ミレリアは、
リーザとレンの対照的な夫婦としてイメージし、
初登場シーンからそのとおり書いています。
これまたページ数の関係で書けませんでしたが、
このあとヘイシングが海賊の内通者として海軍に捕らえられれば、
夫の海賊との内通を知らなかったミレリアは
あっさり離婚します。
仮面夫婦というわけではないけれども、
志を共にし、苦難も越えられるほど深く結びついた相手ではなかった、
という類の夫婦のイメージでした。
海賊サイルドは、
愛犬にしか心をひらけない孤独をかかえた男です、
というと、
『〈恋死に王〉と迷子の寵姫』の
ヒーローっぽくなってしまいますね(汗)。
歴史的にも、
厳格な身分制度で統制を取っていた海軍に比べ、
海賊は比較的平等な組織だったようです。
が、それだけに、
いつ仲間から「不適格」の烙印を押されて
船長をクビにされるかもわからないわけで。
しかもこの業界、クビ=死のようなものですから、
プレッシャーは相当なものだと思います。
というわけでサイルドは、
自分の内なる心の弱さを
残虐性をアピールすることで隠しているという、
裏設定がありました。
また別に女嫌いでもないので、
(惚れも信用もしませんが)
第1稿では、
リーザが彼に襲われかけるシーンがありました。
本文のあとは愛犬だけ連れて逃亡、
彼の正体を知らずに助けた娘との純愛、まで
妄想していました。
……悲恋エンドしか思い浮かびませんでしたが。
おつきあいいただいて、
どうもありがとうございました。
海から遠い土地で生まれ育ちました。
学生時代の伊豆旅行で、車窓に海が見えた瞬間、
「海!」
とはしゃいだのは、山梨育ちの友人と私だけでした(笑)。
千葉、神奈川、岡山育ちの友人は、
「……うん、海だよね」
と不思議そうでしたっけ。
リアルな潮風は、割と苦手だったりするのですが(汗)、
それでも海にはあこがれます。
帆船時代の英国海軍の物語である
ホーンブロワーシリーズも好きでした。
そんなあこがれを背景にしたのが、
今回の話です。
海といえば海軍!……よりもう少し少女小説向けな
交易、海賊、というあたりから、
父の投資で財産を失った没落貴族リーザと、
元海賊の商人レンのイメージが生まれました。
ちなみにレンのイメージソングは、
ポルノグラフィティの『ハネウマライダー』です。
そして、そんな彼に影響されて変わっていく、
リーザのイメージも固まりました。
今回は担当様から、
「恋愛面をしっかり書く」
より具体的には
「くっついたあとも書く!」という課題を出されていたため、
リーザとレンの関係は「婚約」からはじめることにしました。
当初の打ち合わせでは、
物語半ばで結婚して、初夜シーンも?なんて話になっていました。
が、プロットを詰めていくうち、
とても結婚式だのなんだのを書くだけのページ数が足りず、
結局「帰ったら結婚式」という
なにかのフラグのようなラストとなりました。
といっても無事にラーテンまで帰り着く予定ですし、
物語半ばで相思相愛にはなりますので、
一応課題クリア、ということにしてもらえました(汗)。
婚約段階でも甘いカップルにしようと試みたのですが、
なってくれていたでしょうか?
なにしろこれまであまり書かなかった要素ですので、
自分の中ではこれくらいで十分だろうという気持ちがあったらしく、
第1稿は、
ピエトたちが迎えに来たところで終わっています(笑)。
担当様に言われて、
二人の会話とキスシーンでのラストとなりました。
なお、ちらほらと
レンの育ちが悪くないような描写を入れてありますが、
彼はセルアスタ諸侯国の森林貴族の出身という設定です。
貴族としての教育を受けているので、
本の背に指をかけて引っ張り出して傷めることもなく、
礼儀作法も身につけており、
共通語を学んでいて、
きちんとした文章も書ければ、
マグヌのような訛りもなく話せます。
ただ性格と行動からいって、嫡男ではありません。
継承権のない末子や庶子あたりをイメージしています。
が、マグヌはレンの家臣ではなく、
たまたま一緒にエイゼルの船に助けられた同国人です。
とはいえレンの素性にはうすうす勘づいており、
それが「坊」呼びになりました。
ただ、こうした一切もページ数の関係で、
裏設定となりました(泣)。
恋愛面強化に関してはもうひとつ、
「恋敵を出す」という課題もありました。
リーザの元婚約者の貴族、レンの商売敵等々、
いろいろアイディアをいただいた結果、
当初のプロットでレンを海賊として捕らえに来た軍人が、
リーザの家の元執事ピエトにと変わりました。
ですがリーザの潔癖な性格では、
まったく恋愛対象として見ていなかった相手から
恋愛感情をむけられていたことを知ると、
喜んだり照れたりするより、
「そんな目で見られていたなんて、気持ち悪い!」
と、相手に拒否反応が出そうな気がしました。
それではあまりにかわいそうですので、
リーザは最後まで、
ピエトを「兄のような人」という存在と位置づけ、
彼の自分への感情は「忠誠心」だと思っています。
またピエトもそういうリーザを熟知しているため、
彼女の概念を壊して新しい関係を押しつけることはしません。
よく言えばリーザを大切にする、
悪く言えば現状維持に努める臆病なキャラです。
そんな彼のイメージソングは、
これまたポルノグラフィティの『アゲハ蝶』でした。
なお今回書くことができたボツプロットの設定とは、
「敵同士が理解し合い、協力する」です。
レンとピエトが互いに相手の行動を推測した結果、
示し合わせることもなく隠し島で落ち合うという展開は、
ここから生まれました。
黒幕ヘイシングとその妻ミレリアは、
リーザとレンの対照的な夫婦としてイメージし、
初登場シーンからそのとおり書いています。
これまたページ数の関係で書けませんでしたが、
このあとヘイシングが海賊の内通者として海軍に捕らえられれば、
夫の海賊との内通を知らなかったミレリアは
あっさり離婚します。
仮面夫婦というわけではないけれども、
志を共にし、苦難も越えられるほど深く結びついた相手ではなかった、
という類の夫婦のイメージでした。
海賊サイルドは、
愛犬にしか心をひらけない孤独をかかえた男です、
というと、
『〈恋死に王〉と迷子の寵姫』の
ヒーローっぽくなってしまいますね(汗)。
歴史的にも、
厳格な身分制度で統制を取っていた海軍に比べ、
海賊は比較的平等な組織だったようです。
が、それだけに、
いつ仲間から「不適格」の烙印を押されて
船長をクビにされるかもわからないわけで。
しかもこの業界、クビ=死のようなものですから、
プレッシャーは相当なものだと思います。
というわけでサイルドは、
自分の内なる心の弱さを
残虐性をアピールすることで隠しているという、
裏設定がありました。
また別に女嫌いでもないので、
(惚れも信用もしませんが)
第1稿では、
リーザが彼に襲われかけるシーンがありました。
本文のあとは愛犬だけ連れて逃亡、
彼の正体を知らずに助けた娘との純愛、まで
妄想していました。
……悲恋エンドしか思い浮かびませんでしたが。
おつきあいいただいて、
どうもありがとうございました。
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